あなたの周囲に、「自業自得だ」と言われてるような人はいませんか?
自業自得(じごうじとく)という言葉は、一般に悪い意味でしか使いません。
もしもあなたの友人が、「自業自得だ」と言われているなら、その友人は少なくとも「善良な人ではない」ってことになります。
そういう友人と一緒にいたり、関わってしまうと、あなたまで彼の「罰」のとばっちりを受けるかもしれません。
そこで今回は、「自業自得」の意味と、自業自得な友人が現れた時の対処法についてご紹介していきます。
自業自得とは?
自業自得という言葉は、通常「悪い意味」でのみ使われます。
「業」とは「行い」を指しますから、「自らの業(行ない)の報いを、自ら得る」…
つまり、
「自分が行った悪事によって、自分が罰を受ける」
そういった意味があります。
必ず報いを受ける
例えば、次のようなケースです。
周囲の人間をいつも見下して、馬鹿にするタイプの人がいたとします。
こういう人は、周囲の人たちの能力が横並びだと、自分の方が能力が高いとばかりに周囲を見下し、自分のささやかなプライドを保っています。
しかし、一たび自分より能力の高い人が現れると、途端に萎縮してしまうのがこのタイプ。
そのため、例えば、能力の高い上司が配属されたりすると、自分の力量が見抜かれて、「口ばっかりで実は能力が低いやつ」だと暴かれます。
その結果、評価はガタ落ち、信用もガタ落ち、挙句の果てに叱責までされる… と、こういったケースです。
上司からは叱責され、周囲からも信用されず、こうなると、これまでさんざん周囲の人を馬鹿にしていた分、周囲から「自業自得だ」と言われてしまうわけです。
因果応報とは?
「自業自得」とよく似た言葉で、「因果応報(いんがおうほう)」というのもあります。
「因果応報」というのは、「自分の行いが原因となってそれに応じた報いを得る」
という意味で、自業自得にも似ていますが…
因果応報の方は、どちらかというと、「宇宙にはそういう法則がある」という、トータル的な意味合いで使用されます。
一方、自業自得の方は…
「あなたがあんな悪いことをしたから、バチが当たったんだよ」
といった具合に、人の個別のケースに対して使用するケースがほとんどです。
世間ではよくあること
「自業自得」と言うと、何やら難しい言葉のように感じるかもしれませんが、現実の社会では普通に起きています。
例えば…
「他人の悪口を言うタイプ」などもその典型。
本人は、悪口を言ってストレスを発散し、周囲に対しては、あろうことか楽しい話題を提供しているくらいのつもりだったりしますが…
悪口を言うタイプの人に対して、「腹を割って話したい」と思う人はいません。
だっていつ何時、それが自分の悪口になっていないとも限らないわけですから。
そうやって周囲からの信用は、確実に失われていきます。
こうなると、
「悪口を言ったがために、結局自分が一番損をしている」
いわゆる、完全な「自業自得」状態です。
憎まれっ子、世に憚る(はばかる)
上記でご紹介した2つの例は、比較的わかりやすい「自業自得」のケースです。
しかし、世の中には分かりにくい「自業自得」も往々にしてあります。
例えば、「いじめ」などはその典型です。
クラスメートをいじめ続けた「いじめっ子」に対して、クラスメートを含め世の大半の人は「自業自得」になることを望んでいます。
しかし、「憎まれっ子、世に憚る(はばかる)」という諺もあり…
いじめっ子は、結局何の罰も受けずにのほほんと暮らしている… なんてケースも世の中にはままあります。
自業自得が見えにくいケース
でも、これはただ単に「罰が見えにくい」ということに過ぎません。
自業自得や因果応報というのは、いわば、この宇宙全体のルールですから、悪い行いをした者に対しては、確実に相応の報いがあります。
ただ、それが、
・目に見えるか、見えないか
・罰までのスピードが早いか、遅いか
というだけの違いです。
罰を望んではいけない
むしろ、「自業自得」という話題で、あなたが気を付けなければないけないのは…
「あの悪人が、不幸になりますように」などと願ってはいけない…ということです。
仮にあなたが、悪人の自業自得を望んで、悪人に不幸が舞い込むのを願ったとします。
この場合、「他人の不幸を望む」というのは、悪い行いなので、それによりあなたが罰を受けてしまいます。
悪人の断罪を願ったせいで、あなたが罰を受けてしまっては、目も当てられませんよね。
つまり、自業自得は、あくまでも「自分自身の反省」にのみ、使うべきなんです。
また、自業自得にならぬよう、普段から「悪いことを考えない・言わない・やらない」心がけが肝要です。
まとめ
いかがでしたか。
自業自得とは、「悪いことを言ったり行なったりした者は、自らその罰を受ける」という、この宇宙全体のルールです。
しかし、他人の行いに対して、「自業自得だ」というのは、あまりおすすめしません。
なぜなら、それはイコール、他人の不幸を願っているのと同じだからです。
「他人が罰を受けるかどうか」なんてことは、もう放っておきましょう。
彼らは、勝手に相応の罰を受けるに違いないのですから。
大切なのは…
・あなたへの罰に対し「自業自得」という自らの反省
・あなた自身にバチが当たらないよう悪事を遠ざける
この2点が、最も前向きな「自業自得」の使い方です。