友人から、突然借金の返済を迫られると、まさに「晴天の霹靂」で、びっくりしてしまいますよね。
本来、借金というものは、必ず「返済期限」を定めるものなのですが、友人同士の貸し借りだと、その辺がついつい曖昧になってしまい、期限を定めずに借りる…ということもよくあります。
そうすると、つい「期限がないってことは、いつ返してもいいってこと…?」みたいな甘い考えを抱いてしまうことも…。
今回は、「返済期限のない借金を、突然一括で返してほしい」と迫られたときの対処法についてご紹介していきます!
「返済期限なし」の意味は…?
「返済期限なし」というのは、一般に「いつ返してもいい」と誤解されがちですが…、法律の世界ではそうではありません。
実をいうと、「返済期限なし」の方が、借主にとってはよっぽど「きつい」契約なんです。
法律の条文は、どのようになっているのか見てみましょう。
当事者が、返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて、返還の催告をすることができる。
…と、なっています。条文では、「相当の期間」という風に、かなりアバウトな書き方をしています。
「相当の期間」って何?
この条文の「相当の期間」というのは、実は…「いつでもいい」っていう意味なんです。
要は、貸主が「相当の期間になった」って言えば、その瞬間が、「返済期限」になる…ってことなんです。
「法律の条文なのに、そんな大事なことを曖昧に書くなよ!」って思いますよね。笑
ですので、「返済期限」っていうのは…借主にとって、本当に重要な取り決めなんです。
貸主はいつでも請求できる
返済期限が決まっていれば、借主は「その日までに、なんとかお金を用意しよう」…と、心の準備ができますよね。
しかし、返済期限がない場合は、貸主が「完全に自分の都合で」返済を要求できます。そのため…
「友人から突然、借金の全額を返済するよう迫られてパニックに陥る」…ということになってしまうんです。
そのため、人からお金を借りる際は、「必ず」返済期限を決めておかなけばなりません。
なぜいきなり請求するの?
でも、当面の問題は…
「法律のことはわかったけれど、今とりあえず、友人から全額返済を迫られている」ということですよね。
これは、あなたとその友人との人間関係にもよりますので、ケースバイケースです。
一番多いパターンは、次のようなケースです。
例えば、あなたが友人から50万円を借りたとします。
借りた時は友人には余裕があり、「いつでもいいよ」なんてことを言いますよね。
でも、人の人生というのは、ずっと同じ平坦な状態が続く…なんてことはあり得ません。
必ず、何かしらのアクシデントやハプニングが起きるのが「人生」というものです。
人生にはハプニングがつきもの
あなたに貸したときは、「返すのはいつでもいいよ」と言っていた友人も、突然お金が要りようになって…
「今すぐ、全額返してほしい!」なんてことを、言い出す可能性は十分ある…ってことなんです。
例えば…
●突然、友人が子持ちの女性と結婚して二児の父になった。
●突然、友人の家が火事になった。
●突然、友人の身内に不幸があった。
…等々、これらはすべて、法律相談所などに「実際に持ち込まれた」ケースです。
全く考えもしなかったところから、「急にお金がいる」という出来事は、いつでも起こりうるものなんです。
こうした突然の出来事が、友人に起こってしまうと…
「いつでもいいって言ったじゃないか!」とは、あなたもなかなか言いにくいですよね。
全額返済はどうすればいい?
こうなるとやはり、法律的にも「人道的」にも、あなたは何とかして「借金の全額」を用意するべきです。
法律で「いつでも返済を請求できる」と定められていることももちろんなんですが…
そもそも友人は、あなたが「困っている時」にお金を貸してくれたはずです。
そして、友人が「返すのはいつでもいいよ」と言ってくれたことで、あなたは本当に「助かった」はずなんです。
今回の件は、そんな友人への「恩返し」と考えてみてはいかがでしょうか。
額にもよりますが、家族や親戚に当たるか、最悪の場合、50万円位なら、消費者金融でもすぐに貸してくれます。2~3年もあれば、十分返せる額です。
それに、友人があなたから「利子」を取らなかったのなら、あなたはその分も友人に助けられていたわけです。
ですので、金融業者から借りてでも、その利子は「友人へ支払うべきだった利子」と捉え、友人の恩に報いるようにしましょう!
まとめ
いかがでしたか。
今回は、友人から返済期限なしの借金を「突然、一括」で返済するよう請求されたときの対処法と題し…
●返済期限なしは、「貸主はいつでも返済を督促できる」という意味(民法591条)。
●一括返済を請求されたら、借り主は応じなければならない。
●あなたが困っている時、「友人が貸してくれた」という恩を忘れてはいけない。
以上のポイントについて、ご紹介してきました。
次回以降、人からお金を借りる時は、必ず「返済期限」を決めておくようにしましょう!