「LINEスタンプクリエイター」という言葉を聞いたことはありますか。
ここ数年、「自分のイラストでLINEスタンプを作ればビジネスになる」と、急速に世間で注目されるようになった肩書…
それが「LINEスタンプクリエイター」です。
おそらくあなたの周囲にも、絵を描くのが趣味で、「LINEスタンプを作ってみようかな…」なんて言っている人がいるのではないでしょうか。
しかし、結論を先に言うと、ほとんど稼げません。
そこで今回は、LINEスタンプクリエイターが「稼げない」と言える理由についてご紹介していきます!
収益率は?
2017年現在、LINEスタンプの販売価格は120円が相場となっています。
このうち、売り上げの半分以上は、販売元であるLINEに持っていかれ、クリエイターの元に渡るのは40円ほどです。
「1つ売って40円」という数字を高いと見るか安いと見るか。
一万個売れれば40万円ですから、「ひょっとして、小遣いくらいは稼げるかも」って思ってしまいますよね。
しかし、ここに「落とし穴」があります。
だれもLINEスタンプを買わない
「LINEスタンプで稼ぐ」という発想は、そもそも…
「多くの人が、LINEスタンプを、定期的に購入している」
というのが、前提になっています。
でも、LINEスタンプって、本当にそこまで需要があるものなのでしょうか。
例えば…
あなたの周囲で、「有料の」LINEスタンプを使っている人って、どれくらいいますか?
年齢層にもよりますが、有料のLINEスタンプを買っているのは、LINEユーザー全体の「2割程度」と言われています。
つまり、たとえどんなに素晴らしいLINEスタンプを作って販売したところで…
ユーザーの8割は、「そもそもスタンプに興味がない」ってことなんです。
まずはこのことを「事実」として知っておく必要があります。
10万種類以上が「1つも売れない」
LINEスタンプには「順位」というものがあります。
つまり、そのLINEスタンプがどれぐらい売れて、売り上げは全体の何位に位置しているのか、というデータです。
これに関して、ネット上に紹介された、次のようなエピソードがあります。
2017年現在、全世界のLINEスタンプの総数は「約12万種類」。
そして、あるLINEスタンプクリエイターの人が、自分のスタンプを作って販売し、初めて「1つ」売ることができました。
その1つが売れた瞬間…
なんと、そのスタンプの順位は「5000位」に上がったそうです。
1つ売れただけで5000位、ということは、残りの11万5千種類のスタンプは…
「1つも売れてない」
ってことになります。ゾッとしますよね。
また、12万のうちで5,000、ということは、全体の約5パーセントです。
これはつまり…
「世界中のLINEスタンプの95パーセントは、1つも売れてない」
ということを意味します。
新しい物を求めていない
これに加えて、ほとんどのLINEユーザーは、現状のLINEスタンプで「満足」しています。
要は、スタンプなんて、そもそも何度も買い換えるようなものではない…ってことです。
しかも、ここまで「LINEスタンプ」というものが普及してしまうと、完全に「飽和状態」ですから、むしろ「売れないのが当たり前」ってことなんです。
LINEスタンプが、いかに「寒い市場」であるか、ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
出金は千円から
これらの事実を踏まえた上で…
先ほどの、「LINEスタンプを1つ売って、クリエーターに入るのは1つ40円」という話を思い出してください。
LINEで上がった収益は、「千円から引き出し可能」というルールがあります。
つまり、「3つ売れたから、缶コーヒー代にしよう」なんて思っても、それすらできないってことです。
1,000円÷40円は、25個ですから、つまり…
「25個を売るまでは、売り上げを現金で引き出せない」
ということを意味します。
1つ売るだけでも、LINEスタンプ全体のわずか5パーセントという狭き門なのに、それを「25個」も売らないとお金にすらならない…
これが、いかに「無謀な挑戦」であるか、ということです。
SNSの集客効果は?
また、自分のLINEスタンプをSNSで宣伝している人もよく見かけますよね。
特に多いのは、ツイッターです。
LINEスタンプクリエイターが、自分のアイコンやツイートなどに自分で作ったLINEスタンプを貼り付けて宣伝する… というケースです。
その人のフォロワー数が多かったり、「いいね」がたくさんついていると…
「このスタンプって、売れてるのかな?」
という気になるかもしれませんが、いいねやフォロワーの数と「販売個数」というのは、必ずしも一致しません。
SNSの「いいね」なんて、「既読マーク」と同じです。
所詮はただの「義理」ですから、クリエイターのツイートに「いいね」をした人がそのスタンプを買っている、というわけではありません。
むしろ、毎日必死にツイートをして宣伝して、たとえ1万人のフォロワーがそれを見てくれたとしても…
「結局、誰もその人のスタンプを買わない」
なんていう状況はざらにあるんです。
つまり、最後の「頼みの綱」であるSNSにしても、大した効果は期待できない…ってことなんですね。
【 ツイッターの「いいね」の数には意味がないといえる理由 】
まとめ
いかがでしたか。
今回は、LINEスタンプクリエイターが、「いかに稼げないか」ということについてお話をしてきました。
LINEスタンプに限らず、世の中の「ビジネス」というものは…
「誰もやっていないことをやる」からこそ、意味があるわけです。
LINEスタンプで稼げたのは、スタンプの絶対数が少なかった頃の話です。
スタンプの種類が総数10万以上… ここまで膨大になってしまうと、もはや「ビジネスにはなり得ない」ってことになります。
もしも、ネットでビジネスをお考えなら、「LINEスタンプ」というものからは、一旦離れる必要があります。
ぜひ、参考になさってみてくださいね!